化学メーカーの三洋化成工業と京都大病院は1日、皮膚に深い傷ができた患者の治療を目的に共同開発した薄いスポンジ状の人工タンパク質「シルクエラスチン」の最終治験を終え、高い安全性と有効性を確認したと発表した。製造販売承認を得て、2025年度中の実用化を目指す。
シルクエラスチンは2種類の天然タンパク質の構造を模して遺伝子組み換え技術を使って作製。患部に貼ると体温で溶けて吸収され、周辺の組織全体の再生を促すのが特徴だ。
治験は21年7月から23年5月まで、糖尿病などにより深い傷が長い間ふさがらない「難治性皮膚潰瘍」の患者ら25人に実施。うち23例で皮膚が十分に再生された。