海上自衛隊の潜水艦の修理事業を受注した川崎重工業が、下請け企業との架空取引で簿外資金を捻出し、潜水艦の乗組員に金品や物品を提供していた疑いがあることが3日、分かった。防衛省と川重が同日発表した。川重によると、不正な資金捻出が始まったのは遅くとも6年前で、流用した額は少なくとも十数億円に上る疑いがある。
乗組員にとって川重社員は利害関係者に当たり、事実と認められれば、自衛隊員倫理法に基づき懲戒処分になる可能性がある。防衛省の担当者は「全容解明に向けて調査を進めている」と述べ、結果がまとまり次第公表するとした。
防衛省によると、海自潜水艦の約半数に当たる12隻を川重が製造している。