農林水産省は16日、JAグループなどがコメを業者に卸した際の「相対取引価格」を発表した。6月は2023年産米の全銘柄平均で玄米60キログラム当たり1万5865円となり、12年産米が1万6127円を付けた13年8月以来、約11年ぶりの高値水準だった。卸売業者が小売店や飲食店に販売するコメの価格が上がり、家計にも影響する可能性がある。
相対取引価格は、全国農業協同組合連合会(JA全農)を中心とする出荷団体が主食用米を卸売業者や小売業者に販売する際の契約価格を指す。市場に流通するコメの価格の目安になっているといわれる。
23年産米の6月の取引価格が上昇したのは、猛暑による高温被害で供給量が少ない中で、インバウンド(訪日客)が増加して外食需要が拡大したことが主な要因とみられる。5月よりも2%、22年産米の前年同月と比べると14%それぞれ高くなった。23年産米が流通し始めてからの平均価格は22年産米と比べて11%高い1万5307円となっている。