政府は、障害を理由に不妊手術を強いた旧優生保護法を憲法違反とした最高裁判決を受け、障害者差別の根絶へ全閣僚をメンバーとする新たな会議を創設する方針を決めた。今週中にも発足させ、月内に初会合を開く。林芳正官房長官は22日の記者会見で「会議設置に向けて速やかに準備を進めたい」と述べた。
関係閣僚会議では、強制不妊手術が半世紀も合憲とされてきた事実を踏まえ、優生思想や、障害者に対する偏見、差別の根絶を目指して客観的な検証を進める。教育・啓発の強化策を検討し、政府と被害者らの協議の場も設ける方向だ。
岸田文雄首相は17日に旧優生保護法訴訟の原告らと官邸で面会し、政府の責任は極めて重大だとして謝罪し「二度と同じ過ちを繰り返さないため、恒久的な対策が不可欠だ」と伝えていた。
被害者らへの補償に関しては、閣僚会議とは別に、超党派の議員連盟と調整しながら枠組みを検討する。訴訟を起こしていない人や手術を受けた本人だけでなく配偶者も対象に含めるなど、幅広い補償制度とする。