【キーウ共同】盛山正仁文部科学相が29日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問した。教育・科学技術分野でウクライナとの協力を進める合同委員会の初会合を開き、日本が今後5年間に大学生計100人を国費留学生として受け入れることなどで合意した。
ロシアによる侵攻後、日本の首相・閣僚がウクライナを訪問するのは岸田文雄首相、林芳正外相(当時)、上川陽子外相に続き4人目。
合同委員会は今年2月にウクライナ側と締結した協力覚書に基づき開かれ、他に復興や医療分野で専門家の交流を推進することでも合意した。盛山氏は「心と身体のリハビリの研究を共同で進めたい」と強調。リソビー教育科学相は「戦争が子どもを傷つけている今、支援の一つ一つがウクライナ社会への貢献になる」と謝意を示した。
盛山氏はこの日、キーウ工科大に設置され日本語教育事業を行う「ウクライナ日本センター」も訪問し、日本語を学ぶ生徒らとオンラインで交流した。地方や海外を含め約300人が受講しているという。センターでは日本関連の約1万5千冊を所蔵する図書室や生け花の展示も視察した。