政府は、カザフスタンで今月開く中央アジア5カ国との初の首脳会合で、物流の円滑化と脱炭素、人材育成の3分野を柱とした経済支援策を打ち出す方向で調整に入った。岸田文雄首相が出席し、表明する。近接する中国やロシアへの依存を軽減し、豊富な天然資源を持つ中央アジアとの関係深化を狙う。関係者が3日、明らかにした。
中央アジア5カ国はカザフスタンとウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン。首相は9~12日の日程でカザフ、ウズベクに加えモンゴルを訪れる。
ロシアを経由せずに中央アジアと欧州をつなぐ物流網「カスピ海ルート」の利便性を高めるため、日本のデジタル技術を使いルート上の国で税関手続きの一元化を図る。ウクライナ侵攻を続けるロシアを迂回し物流を安定させる狙いがある。
脱炭素を巡っては、温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に協力。日本の技術を活用して火力発電所の近代化を進め、天然ガスを利用した肥料やガソリンの生産・輸出も検討する。