アスリートが性的な意図で撮影されたり、画像や動画が拡散されたりする被害に関し、スポーツ庁の調査で回答があった国内競技団体の過半数が警備員の配置など対策に乗り出していることが12日、明らかになった。日本オリンピック委員会などスポーツ界が被害撲滅への共同声明を発表してから13日で4年。取り組みが進む一方で、盗撮かどうかの判断が難しいことなど課題も浮かぶ。
対策としては、撮影の許可制や撮影エリアの指定、大会役員や警備員による巡回、監視などが多く、選手が相談、通報できる窓口は42団体で設置していた。
全日本柔道連盟(全柔連)は「尊厳を傷つけるハラスメント目的の疑念を生じさせる映像、写真の撮影および利用」を禁止。日本パラバレーボール協会は、望遠レンズによる無許可の撮影を認めず、特に女性を被写体とした「競技スポーツとしてではなく、興味本位で撮影された写真」を公開しないよう、観客席に文書を掲示している。
スポーツ庁は、対策における課題も集約。「会場が広く観客が多いと、盗撮を阻止することが難しい」「撮影機材が小型化しており、発見が難しい」などの意見があった。