相馬東、新地両高が昨春統合した相馬総合高は8日、相馬市の本校舎などで、東日本大震災の追悼行事を初めて行い、生徒らが犠牲となった生徒を悼み、防災の重要性を心に刻んだ。
震災では、卒業したばかりの3年生を含め、両校で生徒16人が犠牲になった。相馬総合高は、前身となる両校で培った震災の教訓を生かし、防災・復興教育を重視している。
この日は、本校舎と新地校舎(新地町)の石碑、祈念樹に生徒が集い、黙とうをささげた。続いて本校舎で、消防団員の長男を震災で亡くした同市磯部の阿部洋子さんが講話し、全校生徒約365人が聞き入った。
2年生の阿部美咲さん(17)は「周りの人と助け合うこと、自らの命を自分で守ることの大切さを痛感した」と話した。高野敦史校長は「絶やすことなく、追悼と防災に向けた取り組みを続けていきたい」と語った。