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「推しモモ」見つけて♡ キャラ化、品種ごとPR 福島で冊子作成

07/07 09:35

品種ごとに擬人化したイラストや紹介文を添えてモモを紹介する冊子「ももまみれ図鑑&マップ」

 「フルーツ王国ふくしま」を代表するモモの季節が今年も到来する。出荷の最盛期を前に、福島市観光コンベンション協会がモモを品種ごとに紹介する冊子を作成した。きっかけは、モモとひとくくりにされ、品種ごとの違いが広く知られていないと感じたためだ。品種ごとに擬人化したイラストや紹介文を添えて親しみやすい内容となっており、関係者は好みの品種で「推し活」をしてもらおうとPR活動を展開する。

 「絶対的な不動のセンター『あかつき』」「美しい紅色で惑わす『まどか』」「くだもの戦国時代を生き抜く『川中島白桃』」―。これらは冊子「ももまみれ図鑑&マップ」につづられた各品種の紹介文だ。キャラクター化した絵柄とともに8品種が登場する。

 収穫期や生産者の一押しポイント、店頭での遭遇しやすさを表す「レア度」も掲載。作成に携わった協会の金沢千裕さん(42)は「わが子のようにモモを育てる農家の思いを形にしたかった」と思いを語る。

 協会はこれまで、モモを活用したキャンペーン「ふくしまピーチホリデイ」で品種を区別せずに「モモ」とアピールしていたが、参加者や生産者からは「品種ごとに紹介してほしい」と求める声が上がっていた。

 生育環境の変化も背景にある。お盆の時期に親しまれてきた主力品種「あかつき」が近年は気温の上昇で収穫期が早まり、その頃には硬さが特徴の「川中島白桃」などが店頭に並ぶようになった。こうした事情を知らない消費者から「硬い」といった不満が寄せられることがあり「特徴を知られず、不満につながってしまうのはもったいない」と金沢さんは感じていた。

 PR方法を模索する中、市内在住のイラストレーターico.(イコ)さん(38)があかつきやまどかを食べた感想を女性のイラストとともにインスタグラムに投稿しているのを知り「これだ」とひらめいた。キャンペーンのメインビジュアルも担当するイコさんは「品種が多いことを難しく思わず、違いを楽しんでもらいたい」と話す。

 作成に当たり、県北地方に住む女性農業者でつくる「ふくしま農業富女子(ふじょし)会」と意見交換し、モモの育て方や各品種のイメージを共有した。会長の相原晴美さん(51)=桑折町=は「県北地方を周遊してモモの季節を楽しんでもらいたい」と期待を寄せる。

 冊子は1万部発行。12日に始まるふくしまピーチホリデイに参加する飲食店などで配布する。参加者が書き込めるメモスペースもあり、金沢さんは「自分だけの図鑑を作ってほしい」とモモ一色の夏になることを願っている。(高橋夏実)

 県北では20種以上

 JAふくしま未来や県などによると、モモの生産が盛んな県北地方では20~30品種のモモが栽培されている。収穫は6月下旬~7月上旬ごろに始まり、「はつひめ」「暁星」「あかつき」「まどか」「川中島白桃」「黄金桃」などが9月中旬ごろまでリレー式に出荷される。

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