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【7月20日付編集日記】夏休み

07/20 08:00

 夏休みに入った。家族で旅行に出かける予定を立てたり、友達と遊ぶ計画を練ったり。どう過ごすか、あれこれ思いを巡らすだけでも楽しいものだ。一つだけ、これさえなかったらと誰しも思うのが宿題だろう

 ▼早々に仕上げて心置きなく過ごすか、不得意な宿題をぎりぎりまで残し、短期集中で片付けるか。心理学者の河合隼雄さんは子どもの頃、兄弟らの力を借り苦手な図画、工作の宿題を仕上げていたことを、エッセーで「告白」している

 ▼貧困問題に取り組む民間団体のアンケート結果が気になった。小中学生のいる困窮世帯の6割が夏休みは「なくて良い」「今より短い方が良い」と考えているという。生活費がかかる、特別な体験をさせる経済的余裕がない―などを理由に挙げる

 ▼宿題に加え部活動や塾、習い事など今の子どもたちはとにかく忙しい。夏休みくらいは羽を伸ばしたいといった声も聞こえてきそうだが、そう簡単にはいかない事情が内にも外にもあるようだ

 ▼宿題の分からないところを家族が一緒に考えてあげたり、家の近くを散策してみたり。遠出しなくても夏の思い出はつくれる。ここは、時間とお金を上手に使いこなす家族の腕の見せどころかもしれない。

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