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【7月21日付編集日記】平らな道

07/21 08:00

 人の足は、少しの段差なら乗り越えられる。凸凹道も靴を履けば大丈夫。都合良く鈍感のようであり、点字ブロックを足裏で感じ取る敏感さもある。しかし、その能力に甘えたままの道では評判を落としてしまう

 ▼郡山コンベンションビューローが全国から訪れた学会・大会参加者らにアンケートすると「歩道に段差が目立ち歩きづらい」と指摘された。たくさんの資料をキャリーケースで運ぶ人も多い。凸凹は嫌われる

 ▼はて?現場はどこか。郡山駅前大通りの歩道は改修済みで広く平ら。キャスターを邪魔しそうな道ならその先、さくら通りを清水台の坂から西へ。「ここらは落第かな」と思う。人と自転車が段差に右往左往する

 ▼県によると約30年前、共同溝で電線などを地中化し、石板舗装で目抜き通りを飾った。ところが大震災や2度の本県沖地震で共同溝周辺に段差が生じ、石板は割れ、がたつきも。雨の日は水たまりが行く手を阻む

 ▼つえや手押し車を使う高齢者、白杖(はくじょう)が頼りの視覚障害者らには過酷なはず。よかれと思って作った物も劣化するし、世の中の移ろいに後れを取ることだってある。時代の要請に応えているか、変化に敏感か。あるべき道は歩きながら考えたい。

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