ほとんどの人が当然、絶対と思っている重力、上下関係の存在も、広い宇宙から見れば決して「絶対」ではない―。上も下もない無重力の宇宙に計３度行っている野口聡一さんは思い込みにとらわれた価値観を、こんな視点から突く
▼宇宙ステーションでは、年齢や立場の上下など関係なく車座だ。絶対と思っていることの大半は、知らず知らず押しつけられた価値観、もしくは狭い世界の中だけで決めつけているにすぎないと指摘する（「どう生きるか つらかったときの話をしよう」アスコム）
▼防衛省が、特定秘密のずさんな運用や海上自衛隊の手当の不正受給などで大量処分を行った。一連の処分公表時に逮捕の事実を伏せていたことも分かった。潜水艦の乗員が金品などを不正に受け取っていた疑いもある
▼艦艇内は、限られた乗員が行き来する閉鎖空間だ。そこで独自の価値観が押しつけられ、あらがいようのない、いびつな組織文化がはびこったか
▼厳しい上下関係で成り立つ組織だからこそ、有事に力を発揮するだろうことは分かる。ただ「それはおかしい」と疑念を挟む素地が全くなかったとすれば、組織としては致命的だ。国の守りを託せるのか、首をかしげたくなる。
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