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【7月25日付編集日記】アライグマ

07/25 08:10

 1970年代に放送されたテレビアニメ「あらいぐまラスカル」は、ラスカルと名付けられたアライグマと少年の出合いと友情を描いた。ラスカルのかわいらしさに、耳に残るオープニング曲も相まって人気となった

 ▼ラスカルが再び注目を集めたのが、3年前の東京五輪。スケートボードの日本人選手がインタビューで「(競技中)ラスカルの話をしていました」と答えたことで、交流サイト(SNS)で話題になった

 ▼日本では、この北米産のアライグマは特定外来生物に指定されている。しま模様の尾や耳の白の縁取りなど、かわいらしい見た目とは裏腹に、気性が荒く、高い環境適応能力と繁殖力を備えている。ペットとして飼われていた個体が捨てられ、繁殖しているようだ

 ▼アライグマは、県内でも活動域を広げつつある。須賀川市の住宅街には先月、3匹が現れたが、明るい話題とは言い難い。農作物への被害や感染症のリスクがあり、人の生活する場所で見つければ、駆除するほかないためだ

 ▼アニメでは、野生動物を飼う難しさが繰り返し描かれていた。自分の手に負えないからと手放してしまえば、人間も動物も望まない出合いが生まれてしまう。それを肝に銘じたい。

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