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聖光、初回に一気4点 学石に流れ渡さず、高校野球福島大会決勝

07/29 07:25

【聖光学院―学法石川】9回1失点の力投を見せた聖光学院のエース高野=あづま球場

 福島市のあづま球場で28日に行われた第106回全国高校野球選手権福島大会の決勝。聖光学院が序盤に主導権を握り、4―1で勝利を収めた。

 【評】聖光学院は初回の得点で得た流れを渡さず、リードを守り抜いた。初回、菊地の適時打で先制し、3四球を絡めて4得点。先発高野は六回まで二塁を踏ませない投球で、9回を2安打1失点に抑えた。学法石川は先発佐藤翼が二回以降に持ち直したものの、序盤の失点が重かった。打線も大栄の適時打で1点を返すにとどまった。(南哲哉)

 エース高野、圧巻の投球

 感無量の3連覇となった。27個目のアウトを奪うと、聖光学院ナインはマウンドのエース高野結羽(ゆう)(3年)の元に駆け寄り、歓喜の輪をつくった。被安打2で1失点と貫禄を見せつけて完投した高野。絶対に泣かないと決めていたが、「先輩や仲間、家族の顔を見たらほっとした」。スタンドへのあいさつを終えると、涙が止まらなかった。

 昨秋と今春の県大会で対戦していた学法石川を相手に、「スライダーは対策されていると思った」と冬場に習得したカットボールを多用。「カットボールもあるというのを見せれば、自分の武器が生きる」。生命線のスライダーと直球が生きる投球術で、五回途中まで一人の走者も出さない圧巻の投球。七回に1点を失うも後続を断ち、八、九回も危なげなく三者凡退で打ち取って、最後までマウンドを譲らなかった。

 今大会は苦しさも味わった。準々決勝のいわき湯本戦ではボール球先行の苦しい投球が続き、六回途中に6失点で降板した。「修正したところを絶対見せてほしかった」(斎藤智也監督)。2戦連続先発となった準決勝では、6回2失点と立て直して、決勝では「高校で一番です」と言い切る投球を披露した。指揮官も「試合で最高の投球をするまでに成長した」と手放しでたたえた。

 昨年は先輩に連れて行ってもらった甲子園。今年は自らの投球でたぐり寄せた。「もっと自分を磨いて臨みたい」。1年ぶりの聖地のマウンドを待ちわびている。(熊田紗妃)



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