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虚偽の捜査書類作成 巡査長を書類送検、懲戒処分 福島県警

08/01 08:10

 福島県警は31日、交通事故でけが人がいることを把握しながら、けがはなかったとする虚偽の捜査書類を作成、行使したとして、高速隊の男性巡査長(36)を虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検し、停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。処分は同日付。

 県警監察課によると、男性巡査長の書類送検容疑は、田村署小野分庁舎で勤務していた2020年1月2日、田村市で発生した乗用車同士の追突事故の捜査を担当した際、追突された車両の同乗者が負傷していたことを把握したが、けががなかったとする虚偽の捜査書類を作成、行使した疑い。男性巡査長は「早期に送致したかった。被害者の方に大変申し訳ないことをした」と話しているという。県警は発覚後、男性巡査長が携わった交通事故捜査を調べたが、他の捜査で不正はなかったとしている。

 追突した運転手への刑事処分を知った被害者側から今年3月、再捜査を求める申し立てがあり、発覚した。男性巡査長は事故で同乗者が救急搬送されたことを知っていたが、けがの有無などを確認せず、運転手のみが負傷し、同乗者にけがはなかったとする捜査報告書を作成して上司に提出したという。

 県警は監督責任として、いずれも当時の小野分庁舎所長(警視)を業務指導、田村署課長(警部)と小野分庁舎課長代理(警部)を本部長口頭注意とした。事故に関する書類も福島地検に追送した。

 若田英本部長は「非違事案の発生を厳粛に受け止め、全職員に対する指導・教養を徹底の上、不祥事案の再発防止と県民の皆さまの信頼回復に全力を尽くす」とコメントした。

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