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バドミントン大堀彩「ここからが本当の五輪」 地力の差、油断せず連勝

08/01 10:05

大堀彩

 【パリ=報道部・佐藤智哉】五輪初出場でバドミントンの女子シングルス世界ランキング10位の大堀彩(27)=トナミ運輸、富岡高卒=が31日、格下の相手を寄せ付けず、2連勝で16強に名を連ねた。誰が相手でも決して油断せず、先を見ず、目の前の一戦に集中する―。大舞台で力を発揮できない選手もいる中で、苦節の長い27歳の経験値が表れた1次リーグだった。

 「緊張してふわふわした感じだった」とこの日の一戦を振り返ったが、コートでは冷静なプレーが目立った。第2ゲームでは開始から7連続得点を奪うなど圧倒。地力の差を見せつける戦いぶりだった。

 家族や富岡高出身の選手たち以外で大堀を支えてきた存在がある。「移動中も部屋にいる時も試合に行く前も、いつも聴いている」という大好きな音楽だ。特に高校時代から聴いて、励みにしてきたのがナオト・インティライミの「365」。「今日うまくいかなくたって 巡り巡って いつかのラッキーになってたり」。その歌詞に実業団に進んでから結果を出せず、東京五輪も逃し、一度は引退も考えた自身と重ね合わせ、何度も自らを奮い立たせてきた。

 「本当に背中を押してもらった。きょう駄目でも、いつか自分に返ってくるはずだと。失敗すらプラスに思えた」。小さな努力を重ね、たくましくなって立った五輪で活躍する姿こそ、大堀が自分と歌詞を重ねた未来だった。

 いよいよトーナメントに突入するが「ここからが本当の五輪だと思っている。目の前の一戦に集中する」と気を引き締める。大堀に失うものはない。

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