• X
  • facebook
  • line

遠隔操作の人型ロボ公開、南相馬拠点企業 災害現場や工事で運用

08/02 07:15

世界初の技術を使った二足歩行型の人型ロボット試作機を紹介する金岡社長(左)ら=滋賀県

 南相馬市に拠点を置くベンチャー企業「人機一体」(滋賀県)は1日、世界初の技術を使った二足歩行型の人型ロボット試作機を公開した。操縦者の遠隔操作に合わせて手足が動き、ロボット自らもバランスを維持することができる。同社は試作機の改良を進め、電力分野での実用化を視野に入れる。2030年代末までに、鉄道や土木工事など危険が伴う業務をロボットで代替することを目指す。

 試作機は全長210センチで横幅71センチ、重さ88キロ。昨年に上半身部分の制御を完成させ、今回は広島大と共同研究を行い、下半身の制御技術も開発した。

 操作者の動きに合わせた直感的な動作が可能で、ロボットの手が自身の手のように感じる技術と、ロボットが自動でバランスを取る技術を組み合わせた。これにより、災害現場など未知で不安定な環境下でも活用できるようになるという。

 同社は1日、滋賀県で成果発表会を開き、二足歩行型の人型ロボット試作機や鉄道分野で先月、実用化された人型ロボットの動作を実演した。

 金岡博士社長が「自動車やインターネットに匹敵する大きな産業を起こせる可能性がある。ロボットにより苦役を無用とする世界をつくろう」と述べた。東日本大震災を教訓に「次に災害が起きた際には福島発のロボットで世界を救いたい」と意欲を見せた。

 席上、クリエイティブコミュニケーターの根津孝太氏、「マクロスシリーズ」などで知られるアニメ監督の河森正治氏がデザインした新たな人型ロボット試作機の概念図も発表した。数年以内の開発を目指す。


この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line