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【8月2日付編集日記】ワタガシペア

08/02 08:05

 花などはどこまでなら切って小さくできるか、そしてその大きさは、どう調べるべきか。頭を悩ませながら、この問題に取りかかったのが、文化の花が咲いた古代ギリシャ生まれで哲学者のデモクリトス。都市国家にあって、最先端の天文学、数学といった学術分野をまたいで活躍し、芸術などにも精通していた

 ▼この哲学者は走ると表面が削れていく車の輪などを種に、考えを重ねた。どんな物質も、最低限の幅や重さが必要となる。あまりに小さく肉眼では見えなくても、原子という存在を認めて考察することで、きちんと説明できる―と結論付けた

 ▼どんな物でも切り分ければ最後は原子になってしまう。草や木、人間などの生物も含め、全てが原子でできている。地球も大陸も島々も、その存在自体が幸福な奇跡ということだろう

 ▼準々決勝のワタガシは強かった。3年前の大会での銅メダルの獲得で得た自信も見えた。逆襲を受けようとも、終盤まで笑みは失われなかった。地元びいきでそう見えるというのでもなかろう

 ▼時間をかけて、黄金ペアと成長した2人の絆は強くなり、分離が不可能の塊であるに違いない。残すは、あと1試合。世界屈指の技と、縦横の動きに注目だ。

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