パリ・パラリンピックに出場する陸上女子砲丸投げ(上肢障害F46)の斎藤由希子(31)=SMBC日興証券、福島市在住=は1日、母校の仙台大で行われた壮行会に出席し「出場することではなく、メダルを取ることを目的にして挑みたい」と意気込んだ。
パラリンピックを意識し始めたのは大学1年だった2012年。それから12年間を経てつかみ取った初出場に「リオ、東京大会と出場種目がなく、種目を変えて挑戦してきたがなかなか夢舞台に立つことはできなかった。今、やっと、30代になってこの舞台に立つことができる」と語った。
初出場に「不安と不安、不安、不安、楽しみくらいの割合で不安の方が多い」とする一方「競技歴だけみれば十分実績は積んできていると思う。初出場の緊張を楽しみつつ、ベテラン選手としてやるべきことをやってきたい」とも話した。2日には31歳の誕生日を迎える。「(自宅が津波被害に遭った)東日本大震災、学生時代、もっと言えば幼少期から支えてくれたたくさんの人のパワーを、最大限に発揮しなければならない時だと思う」と、夢舞台での活躍を誓った。
壮行会には陸上部員や職員ら約120人が駆け付け、応援メッセージを書いた国旗などを贈った。
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さいとう・ゆきこ 宮城県気仙沼市出身。生まれつき左腕の肘から先がなかった。中学から競技を始め、健常者の大会でも活躍。大学時には砲丸投げで当時の世界記録をマークした。2017年に結婚を機に福島市に転居し、22年には長女を出産した。