「社長~、安くして~」などの台詞が特徴的な通信販売のテレビCMで知られる夢グループ。芸能事務所も運営し歌謡ショーなどを展開しているが、本年度は、マジックとトーク、歌を融合させた新形態の公演を始めた。9月には県内4会場で「スーパーイリュージョンショー」として開催する。自身も出演する同社の石田重廣社長(福島市出身)は「新しいスタイルのイリュージョンを楽しんでほしい」と思いを語る。
石田社長がイリュージョンショーを発案したのは昨年12月。CMで共演する自社所属歌手の保科有里さんとのトークショーの際、想定以上に子どもの観客が多かったことがきっかけという。半生を語るトークや昭和歌謡は子どもに受けない。「どうやったら幅広い年齢層が喜ぶのか」。ショーをしながら考え、舞台上で「マジックをすれば子どもも喜ぶ。イリュージョンをやるぞ!」とひらめいた。「公演後すぐに保科さんに報告したら、『社長~、イリュージョンなんてどうやってやるのよ~』と言われましたよ」と笑う。
トーク交えコミカルに
目指したのは、自身が昔から米国ラスベガスで何度も見てきた、物が浮いたり、人が宙に浮いたりするような、大がかりなマジック。知人から本県出身のマジシャンShurei(シュウレイ)さんを紹介してもらい、保科さんと練習した。2人のトークを織り交ぜた新スタイルのマジックだ。
「本来、マジシャンはあまり話さず静かに流れるように技を見せる。でも僕たちはコミカルなマジックを見せて、幅広い年齢層の人たちに『すごいな、どうなっているんだ』だけでなく『面白かった』と思ってもらうことが目標でございます」と石田社長。ショーの構成は2人のマジック、シュウレイさんのマジック、2人のトークショーという内容で、マジックの詳細は「ネタばらしになっちゃうから」と明かさない。
イリュージョンショーを通して伝えたいことは「『夢』です。今後はたくさんのイリュージョニストが出演するショーとして展開していきたい。イリュージョンといえば夢グループ、と言われるようにしたいですね」と展望を語る。
客の顔が見えやりがい
一時期は、顧客の顔が見えない通販業に寂しさを感じていたというが、歌謡ショー出演やコロナ禍に全国で行った販売会で顧客と接したことで、仕事への新たな意欲が湧いた。現在は全国のさまざまな小売店から希望を募り、商品の委託販売も積極的に行っている。「販売会は会津若松市や三春町、双葉郡などでも開きました。委託販売はふるさと福島市の書店からも依頼があり、とてもうれしかった。やりがいを感じています」。
こうした中、さらなる取り組みとして始まったイリュージョンショー。「私は66歳。本業は社長ですが、今はさまざまな場に呼ばれて歌を披露しています。ここでさらにイリュージョンに挑戦することで、同年代の人たちに『自分たちも体を動かせる!』と思ってもらえることも夢の一つ。福島県の多くの方にも楽しんでいただきたいです」と、故郷での公演へ意欲を見せた。
スーパーイリュージョンショー、県内4会場で
県内開催は次の通り。
▽9月10日=会津若松市・市文化センター
▽11日=郡山市・けんしん郡山文化センター中ホール
▽26日=いわき市・いわき芸術文化交流館アリオス中劇場
▽27日=福島市・キョウワグループ・テルサホールFTホール
※いずれも午後6時開演、料金はSS席6000円、S席3500円、小学生以下2000円。夢グループホームページで販売。電話注文、問い合わせは夢グループ(電話0570・666・443、午前8時~午後6時)へ。