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旅館「いさみや」8日再開 浜焼き、カニ釣り…松川浦体験楽しんで

08/07 08:45

営業再開に向け準備する管野さん。「松川浦ならではの体験を楽しんでほしい」と話している

 本県沖を震源とする2022年3月の地震で休業していた相馬市松川浦沿いの旅館「いさみや」が再建工事を完了させ、8日営業を再開させる。新しい旅館は、遊びながら学べる家族向けの体験活動を充実させ、名称も「遊学の宿いさみや」に改めた。4代目の管野功さん(47)は「松川浦ならではの体験を、ここで楽しんでほしい」と話している。

 いさみやは、東日本大震災の津波、21年2月の地震でも被災したが、修理を繰り返して営業を続けていた。だが、22年3月の地震で建物が構造的に被害を受け、解体を余儀なくされた。

 新しい旅館は、同じ通り沿いの50メートル程度離れた場所に、耐震構造の2階建ての建物として再建した。目玉は、地元を知り尽くした管野さんお薦めの体験活動だ。夕食では、松川浦名物「浜焼き」を自分で作って味わう。管野さんから、串打ちのこつや炭火の加減などを教わりながら、カレイやイカを香ばしく焼き上げ、出来たてに舌鼓を打つ。希望すれば、浜辺の岩陰に隠れたイソガニを捕まえる「カニ釣り」、アサリ漁で使う小船で松川浦を巡るクルージングなども体験できる。客室数は前より少ない8室だが、家族連れ向けにそれぞれの部屋を広くした。浴室は三つあり、貸しきりで利用できる。

 休業中、管野さんは浜焼きの実演販売や体験ツアーの受け入れに積極的に携わった。暮らしている人にしか分からない松川浦の魅力を伝えようとする管野さんの話に聞き入る人や、浜焼き体験に夢中になる家族に出会い、理想とする旅館業の在り方が自分の中で固まってきたという。「やって来た家族が笑顔になり、幸せそうに帰っていく。そんな旅館にしたい」と語った。

 問い合わせは同旅館(電話0244・38・8216)へ。


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