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古関裕而生誕日に「ボンダンス」 8月11日、初代わらじ音頭復活へ

07/31 07:30

BON―DANCEフェスティバルに向け練習に臨むメンバーら
能登半島地震で大きな被害を受けた輪島朝市から出店する鮓井さん夫妻

 ハワイで「福島音頭」として踊り継がれている「BON―DANCE(ボンダンス)」を福島市の新たな祭りとして根付かせようと、福島駅前通りで8月11日、盆踊りイベント「ふくしまBON―DANCEフェスティバル」が開かれる。会場には元日の能登半島地震で甚大な被害を受けた「輪島朝市」(石川県輪島市)から4店舗がブースを設け、輪島塗や海産物を販売する。

 地元の商店街関係者らでつくる実行委員会の主催で、2年目の開催。「福島子供盆踊り」「福島小唄」「初代わらじ音頭」などの楽曲を手がけた福島市出身の作曲家古関裕而の生誕日に開く。このうち「初代わらじ音頭」は、昭和40年代に人間国宝の花柳寿楽氏が振り付けを決めたが、その後踊る機会がなくなってしまった楽曲。今年はこれを復活させようというプロジェクトも動いており、30日に市内で振り付けの練習が行われた。小河日出男実行委員長はボンダンスについて「福島の伝統ある行事の一つに育てていきたい」と話している。

 縁ある福島うれしい

 「出張輪島朝市」の出店者の一人、創業約100年の「鮓井(すしい)商店」3代目で輪島塗職人の鮓井辰也さん(72)は「将来の展望が見通せず、あすあさっての糧を求めているというのが正直なところ。そういう状況の中、縁のある福島で出張市を開けるのはうれしい」と語る。

 店舗は能登半島地震による大規模火災で大半が焼失した輪島朝市の入り口にあり、火災による延焼は免れたが、店と工場が全壊。鮓井さんは妻喜代美さん(63)と共に1週間ほど前まで、輪島市内の避難所で生活していた。場所を見つけ、徐々に輪島塗箸の制作を再開し始めているが「数年後が見えない状況」が続き「そういう中で声をかけてもらえたのはありがたい」と言う。

 本県とは元々、県内に得意先があるなど縁があり、東日本大震災時には得意先を通じて輪島塗箸などの物資支援を行ったという。能登半島地震では「インフラ整備で来ている福島の人が多くいて、助けてもらっている」とし「縁ある福島のため何かできれば」と意気込みを語った。

          ◇

 ボンダンス ハワイの島々で6月から約3カ月間の毎週末に開かれている。約100年前に本県からの移民がコミュニティー維持のため開催したのがきっかけとの説があり「福島音頭」がメイン楽曲になっている。福島にルーツのあるボンダンスを逆輸入し、訪日客との交流や中心市街地のにぎわい創出につなげようと、実行委が昨年8月にふくしまフェスティバルを初開催。2年目の今年は、輪島朝市のほか地元店の屋台も並ぶ。踊りには誰でも参加できる。時間は午後4時~同9時。


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