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聖光4番・志田、執念2安打で打線鼓舞 夏の甲子園

08/12 12:00

【聖光学院―鶴岡東】7回裏聖光学院無死、左前に安打を放つ志田

 背番号「4」が大舞台で躍動した。聖光学院の志田隆之助(3年)は二回と七回に先頭打者で出塁し、打線を鼓舞。「とにかくつなぐ意識で打席に立った」。夏の福島大会でチームトップの打率を残した好打者が、持ち味を存分に生かし、最後まで相手を苦しめた。

 東北対決となったこの試合。2点を先制される苦しい展開で力投を続けるエースを何とか助けようと打席に立ち続けた。「初球から振っていこう」。制球の良い相手投手を攻略するため、追い込まれる前に早めに打ちにいったことが結果につながった。二回は三球目の内角の直球、七回は真ん中低めの直球をとらえ、いずれも左前打とした。

 川俣町出身の志田は、二つ上の兄大和が所属する聖光学院野球部に憧れ、その門をたたいた。甲子園で躍動する兄の代の選手たちの姿を見て、「自分もそういう姿を見せたい」と決意。春には朝5時に起床してグラウンドで素振りし、年末年始は祖父母の家まで片道5キロの山道を往復で走り、愚直に鍛錬に励んだ。

 積み重ねた努力は形となって表れた。県内出身野手唯一の一桁背番号を勝ち取ると、福島大会では11安打5打点打率6割1分1厘の成績で、勝利に貢献。この日も甲子園の雰囲気に飲まれることなく、大勢の観客の目を自分の力に変えた。

 最後まで積極的に攻め続けた志田。「持ち味を出し切れた。来年は自分たちを超えてほしい」と後輩に語る。貫いた聖光学院野球は受け継がれる。(高田泰地)

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