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【8月13日付編集日記】自由研究

08/13 08:05

 昼夜の温度差が激しいサバンナ地帯でみられるシロアリの巣は、温度や湿度の調整機能に優れていることが知られている。外気を取り入れて換気しながら、地下水で内部の土を湿らせることで気温の上昇を抑えている。ジンバブエにはこの仕組みを応用した商業ビルもある

 ▼国内に目を向ければ新幹線はフクロウの羽根の細かいギザギザ、カワセミの細いくちばしの構造を参考にすることで騒音を抑えている。動物や植物の行動や仕組みが、私たちの暮らしに役立つというケースは、意外と多い

 ▼ある教育関係者と話す機会があり、「探究や自ら学ぶというのは、新聞記者の取材そのものですよね」と言われた。探究などは、文部科学省が示す学校教育の目標で近年よく出てくるキーワードだ

 ▼自分でテーマを見つけ、調べて文字にする。考えてみれば、新聞記者は夏休みの自由研究を一年中しているような職業かもしれない

 ▼まだ自由研究は手つかずという子どもも多いはず。ここは一つ、新聞記者のやり方を応用してみては。身の回りをじっくりと観察していれば、「なぜこうなっているのか」と疑問に思うことが必ずある。それを納得いくまで調べてみよう。間違いなく特ダネになる。

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