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福島県初、鮫川で保育園留学開始 首都圏など対象、関係人口創出へ

08/22 09:15

「子どもが楽しく過ごしている姿を見られて、来て良かった」と語る森さん(右)と健ちゃん(中央)、志歩さん

 鮫川村は、首都圏の親子などを対象に、短期的に村内の保育施設で園児を受け入れる「保育園留学」を開始した。県内初の取り組みで、村の豊かな自然を体験してもらうとともに、関係人口の創出につなげたい考え。

 保育園留学は地方創生などを手がけるキッチハイク(東京都)が運営している。2021年11月から事業を開始し、全国の保育施設43園が受け入れている。参加者の7割は首都圏在住の親子で、これまで約1000組3500人が参加しているという。

 24日まで同村に保育園留学している東京都在住の森喬(たかし)さん(36)と妻志歩さん(40)、長男健ちゃん(2)は、プール遊びや自然の中で遊ぶことなど、首都圏では普段できない体験がしたいと鮫川村への保育園留学を決めたという。森さんは「自然の中で散歩したり、子どもが楽しく過ごしたりしている姿を見られて、来て良かった」と話す。

 留学中、森さん一家は村の宿泊施設「ホワイトハウス」に滞在。午前8時半に健ちゃんは認定こども園「さめがわこどもセンター」の未満児クラスに登園する。村の子どもたちと共に、大自然の中で遊んだり、村産のコメや野菜などを使った給食を食べたりして過ごす。その間、森さんらはテレワークで仕事をする。

 健ちゃんが帰宅した後は、公園で遊んだり、家の周りを散歩したりして過ごし、自然と触れ合っている。「走り回って遊んでいるようで、夜の寝付きも良くなった」と森さん。同施設では野菜の収穫体験や、ピザ窯を使ったピザ作りなどもできるといい、森さんは「県内の旅行などもしてみたい」と笑顔を見せた。

 キッチハイク広報の長谷部由梨さん(41)は「多くの人にまた参加したいと言ってもらえている。今後、受け入れを行う地域をさらに増やしていきたい」と話す。同村の鈴木大介副村長(48)は「村の子どもたちと一緒に村の魅力を味わってもらいたい。そして、村に住んでみたいと思える人が増えたらうれしい」と取り組みに期待を寄せた。

          ◇

 保育園留学 留学希望者は、行きたい地域、日程を選んで応募する。価格は1~2週間分の預かり保育代や宿泊費などを含め12万~20万円ほど。キッチハイクのホームページから申し込む。

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