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福島県勢3チーム決勝へ 南相馬でロボサミットプレ大会開幕

10/05 09:20

パイプを撤去しようとする「ミソラ2」。南相馬ロボット産業協議会と会津大が共同開発した
パイプをつかむ東北エンタープライズの四足歩行型ロボット

 来年に南相馬市などで開催されるロボットの国際大会「ワールドロボットサミット(WRS)2025」を前に、プレ大会が4日、同市の福島ロボットテストフィールドで始まった。本大会と同様に、大規模災害による過酷な環境下でのロボットやドローンの技術力などを競っている。四つの部門に県内3チームを含む16チームが出場し、県勢は3チームとも5日の決勝に進んだ。

 市内の製造業などでつくる南相馬ロボット産業協議会と会津大の連合チームは、異常が発生したプラント(工場)で点検する「プラント災害チャレンジ部門」に臨んだ。共同開発したロボット「MISORA(ミソラ)2」がフィールド内の試験用プラントでタンクの異常調査や、がれきを模したパイプの撤去などを行った。協議会の渡辺光貴会長(42)は「アームの故障などのトラブルがあったので、動いただけで良かった。できることはやった」と語った。

 同部門には東北エンタープライズ(いわき市)が自社で販売している米国製の四足歩行型ロボットを使って参加した。同社の矢部政年さん(53)は「きちんと性能を生かせなかった」と振り返った。同社は東京電力福島第1原発の廃炉にも携っており、矢部さんは「ロボットの裾野を広げていきたい」と話した。

 より過酷な工場災害を想定した「シミュレーション災害チャレンジ部門」には会津大のチームが挑んだ。2人一組で仮想空間のロボットを操り、消火やバルブの操作に当たった。会津大3年の高本潤良(じゅら)さん(20)は「ロボットのカメラ位置など改善点が見つかった。本大会に向けて修正していきたい」と意欲を見せた。

 最終日の5日は、会津大も参加するチーム「オールあいち」が災害時の被害調査や物資供給などを想定した「過酷環境ドローンチャレンジ部門」に出場する。

 本大会は同フィールドで来年10月10~12日、福島国際研究教育機構(エフレイ)の主催で「WRS過酷環境F―REIチャレンジ」として開かれる。プレ大会は本大会のPRや競技内容の検証を目的に企画された。

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