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防災人材…浪江から 講義3段階で東北大活動開始、小学生も対象

10/05 09:10

「BOSAI人材育成」の展望を語った今村氏

 東北大は4日、浜通りを拠点に防災に関わる人材を育てる「BOSAI人材育成」事業のキックオフイベントを浪江町で開き、活動をスタートさせた。2025年度から試験的に浪江町などでのフィールド研修を盛り込んだ講義を展開、将来的には年間受講者3000人以上を目指して交流人口の創出にもつなげる。

 イベントでは、今村文彦副理事らが事業の概要や展望を説明した。カリキュラムは初級、中級、上級の3段階に分け、初級は小学生から対象にし、地域住民や自治体職員、専門家など誰でも受けられる。フィールド研修などを除き基本的にオンラインで見られる教材を活用、全国どこからでも受講できるようにする。中級からは学生や社会人らを対象に、対面講義などを通して、専門的な学習にする考えだ。

 東北大は南相馬、富岡、双葉、大熊、浪江の1市4町を中心に、研究と人材育成を通じた産業創出などを進める「福島サイエンスパーク構想」を進めている。BOSAI人材育成事業と合わせて、早ければ2026年度に浪江町に拠点を設け、研究者を配置する方針。

 今村氏は「東日本大震災の経験と教訓をつなぐ学生や地元住民、企業、外国人らを育て、にぎわいや活気を生み出し、定住人口の増加などにつなげたい」と展望を話した。

 キックオフ事業には、同大の学生や関係企業、町民らが参加。同大の研究者が人材育成や災害対応ロボット、防災などをテーマに講演した。

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