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アカハネバッタは定住する 絶滅危惧、福島大など研究チーム発見

10/09 08:35

アカハネバッタ

 福島大などの研究チームは8日、国内希少野生動植物種のアカハネバッタがほとんど移動せず、定住性が極めて高いなどの生態を明らかにしたと発表した。アカハネバッタの生態はほとんど研究されておらず、種や生息環境の保全策を計画する上で貴重な知見になり得るという。

 同大共生システム理工学類の塘忠顕教授、同大大学院共生システム理工学研究科の緒勝祐太郎氏らが研究に当たった。山形県小国町の半自然草原(火入れや草刈りなど手を入れた草原)で2016~17年に、野外調査と室内での飼育実験に臨んだ。その結果、アカハネバッタの個体群は存続が危機的な状況にあるほど小さいことや、成虫のほとんどが5メートルほどしか移動せず、定住性が極めて高いことが分かった。

 アカハネバッタはメスの体長が最大40ミリに達する大型のバッタで、山形のほか、本県や新潟、長野、山梨の各県の限られた場所で生息する。国内希少野生動植物種、環境省のレッドリストでは「絶滅危惧IA類」に指定されている。個体群や生息環境の保全のため、知見の蓄積が求められてきた。

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