忘れることはまんざら悪いことではないらしい。息を吐いて吸うのに似て、忘却があって記憶が深まる。呼吸のような間柄でお互いを助け合う。英文学者の外山滋比古が著作「忘却の整理学」で説いている ▼同書によると、忘却という堅苦しい言葉が広まったのは、大ヒットしたNHKラジオドラマ「君の名は」のおかげとか。「忘却とは忘れ去ることなり」。この語りが冒頭に毎回繰り返され、ロマンを帯びた響きが浸透した ▼き...
この記事は会員専用記事です
残り309文字(全文509文字)
続きを読むには「みんゆうプラス」の会員登録もしくは
「福島民友新聞購読」の申し込みが必要です。