任期満了に伴う楢葉町長選は9日告示され、無所属で現職の松本幸英氏(63)=3期=のほかに立候補の届け出はなく、松本氏が2020年の前回に続いての無投票で4選を果たした。
松本氏は「共に歩む、未来へつなぐ」を掲げ、震災前から住む町民と移住者が手を携える施策の充実をはじめ、新規企業誘致や観光資源の活用などで町民の幸せな暮らしを実現し、町の復興を果たすと訴えた。
当選証書付与式は15日午前9時から町役場で行われる。任期は30日から4年。
ハード事業発展期待
【無投票の軌跡】楢葉町長選は現職の松本幸英氏(63)が無投票で4選した。東日本大震災翌年からの3期12年で生活環境を整え、復興のハード事業をほぼ完成させた実行力が町政継続につながった。
松本氏は昨年12月に出馬を表明した。多選への批判や町職員の不祥事の責任面から水面下で出馬を模索する動きも見られたが、最終的に対抗馬は出なかった。
現町政がハード事業で次々と公共施設を整備する中財政負担を懸念する声もあった。一方、農業分野では成果が出ていることも確かだ。4期目はハード事業の効果の発展が求められる。
町への移住者や交流人口は増加している。新しいまちづくりを目指し、移住・定住施策、観光資源の活用などソフト面の充実が必要だ。実行力の真価が問われる4年間となる。(ふたば支社・国分利也)