任期満了に伴う国見町長選は10日の投開票に向け終盤戦に入った。届け出順にいずれも無所属で、新人で元県南地方振興局次長の村上利通候補(60)、現職の引地真候補(64)=1期、新人で元町議の松浦和子候補(75)の3人が論戦を繰り広げている。
町が民間企業と共同開発した高規格救急車の貸し出し事業を断念した一連の問題による町政の立て直しが最大の焦点。村上候補は、問題を巡って現町政を批判する町議らの支援を受けて選挙戦を展開。松浦候補は「しがらみのないクリーンな町政」を強調、町民ファーストの町づくりを訴える。一方、引地候補は現職として、出陣式で「反省し、後悔はしない町づくりをしていく」と述べた。
このほか、村上候補は産業振興による過疎化脱却、健康診断や人間ドックの費用補助を主張。40回以上の街頭演説に加え、特設ホームページも活用し、若年層の認知度向上を図る。
引地候補は、町職員時代の経験や就任後に発生した2度の本県沖地震への対応、物価高騰対策の実績を訴える。藤田地区をはじめ、各地で街頭演説を行い、女性票の獲得に力を入れる。
松浦候補は、女性が出産や子育てについて気軽に相談できる相談窓口の新設を掲げる。通学・通勤時間帯のJR藤田駅前で街頭演説を行い、若者や女性の支持率向上を目指す。
投票率については、各陣営とも前回2020年の73.18%と同程度を見込む。