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【10月3日付編集日記】庶民の味方

10/03 07:10

 郊外のラーメン店に立ち寄り、セットで卵かけご飯を注文した。地鶏の生卵にたっぷりのかつお節をまぶしてかき込む。こくのある黄身がご飯にまとわりつき、実にうまい。久々の味を楽しんだ

 ▼その卵の価格が上昇傾向にある。JA全農たまごによると、卸売価格が7月に比べて3割上がった。猛暑の影響で、鶏が夏バテして生産量や1個当たりの重量が減り、供給不足に陥った。外食産業の「月見商戦」の激化も拍車をかけたようだ

 ▼冬場に向けて見込まれる鍋やおでんの具材としての需要もあり、年内は高値傾向が続くとの見方だ。今月は半年に一度の価格改定の時期。食品の値上げ品目数は4月を上回り、今年最多となる見通しだ。家計のやりくりはさらに難しくなる

 ▼ようやく気温が下がり、暑さに苦しんできた養鶏農家はほっと一息といったところか。一方、政界は新内閣が発足し、猛暑の余韻を引きずるように解散総選挙へと突入する

 ▼卵は値上がりしたとはいえ、まだ庶民の食卓を助けてくれる存在だ。では新内閣のメンバーや議員はどうか。物価高に苦しむ国民には到底理解できない政治資金の議論は生煮えのまま。庶民の味方となるような人物をしっかりと見極めたい。 

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