任期満了に伴う葛尾村長選は17日、告示され、無所属で現職の篠木弘氏(73)=2期=のほかに立候補の届け出はなく、篠木氏が無投票で3選を果たした。無投票となるのは8年ぶり。
篠木氏は、東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域の早期解除、企業誘致による雇用の創出、農業再生に向けた支援強化、子育て世代の移住・定住の促進などを訴えた。
当選証書付与式は28日午前9時から、村民会館で行われる。任期は11月12日から4年。
移住・定住増やせるか
葛尾村長選は、現職の篠木弘氏が無投票で3選を決めた。村と浪江町を結ぶ県道浪江三春線のバイパス化を着工までこぎ着けるなど復興に向けたハード整備を着実に進めた実行力が、信任を得た形となった。
篠木氏は6月議会で3選出馬を表明。前回は無投票に疑問を投げかけた新人候補が出馬したが、今回は対抗馬を立てる動きは表面化しなかった。
2期目の4年間で基幹産業の農畜産業を支える施設整備が進んだ。原発事故後に力を入れた産業団地への企業誘致も実を結び、進出企業の従業員らを受け入れる住環境の整備も始まったところだ。雇用は生まれつつあり、人口増加に向けた取り組みが課題となる。村の新たな魅力を生かして移住・定住につなげられるか、篠木氏の手腕が問われる。(浪江支局・佐藤智哉)