【11月16日付社説】闇バイト強盗/不審な訪問は警察に相談を

11/16 07:50

 首都圏で、交流サイトなどを通じて集められた闇バイトが関与しているとみられる強盗事件が相次いでいる。本県でもこれまで同様のケースが発生しており、決して対岸の火事ではない。

 警察が一刻も早く、闇バイトを根絶し、背後にいる指示役まで摘発することが同様の犯行を減らす最良の方法だが、一朝一夕にはいくまい。被害者になる恐れを少しでも低減するために、自衛策を徹底したい。

 一連の事件は、住宅街の一戸建てが狙われている。現場の犯人らはスマートフォンで指示を受けているとみられる。自身らも指示役に身元を把握されているため逆らうのが難しく、指示されるまま凶暴な行動に出ることがあると指摘されている。被害者が死亡したケースもある。

 一部の事件では、犯行グループが事前にリフォームの飛び込み営業を装って家に上がり込んで、資産状況を調べるなどしていた疑いがある。横浜市の事件では、被害者宅周辺で水道管検査や宝石買い取り業者を名乗る男らが各戸を訪問していたという。

 訪問営業の人がしつこく家に入りたがったり、必要ない場所まで見たがったりするなどは注意が必要だ。ためらうことなく警察に相談してほしい。

 各地で発生している強盗事件には、これまでなりすまし詐欺などを行っていた犯罪グループが関与しているものもあるとみられている。詐欺グループの名簿に名前などが記載されていた人が強盗被害に遭ったケースもある。これまでに詐欺被害に遭ったり、怪しい電話を受けたりしたことのある人は個人情報が漏れている可能性がある。特に警戒してもらいたい。

 犯人らは窓から侵入することが多い。窓ガラスに防犯フィルムを貼るなどしておけば、空き巣などの対策にもなる。複数の鍵を取り付けるなどの方法もある。

 下見で強盗などがうまくいかないと思わせたり、実際に家に侵入しようとされても手間取って諦めるようにさせたりできれば、被害を未然に防いだに等しい。防犯対策を施す場合は家族で話し合うことも重要だ。情報や対策の狙いを共有することで、家族全員の防犯意識を高めることができる。

 県警の担当者は、地域のつながりが被害を遠ざけると強調する。互いにあいさつを交わすなど住民同士の関係の深さを示すことで、下見役にこの地域での犯行が難しいと思わせることができるという。地域全体でスクラムを組み、事件の芽を摘むことが大切だ。

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