半導体関連の成長株として注目されるレーザーテックに、利益などを過大に見せかける不正会計の疑惑があると、海外の投資ファンドが主張している。このファンドは投資先の株価が下がるほどもうかる「空売り」を仕掛けることで知られる。標的となったレーザーテックは真っ向から反論している。
レーザーテックは先端半導体の検査装置を手がける。需要拡大を背景に株価は5月に4万5500円の高値を付けた。5年前の同じ時期と比べると20倍以上の水準だ。
ファンドはスコーピオン・キャピタル。レーザーテックに関する詳細な調査報告書を6月5日に公表し「東芝やオリンパスの問題を想起させる」として空売りを宣言した。値下がりを見込む株を証券会社などから借りて売り、安くなった時点で買い戻して差額をもうける取引だ。
報告書では、検査装置は品質に問題があるほか、会計処理で完成品の在庫を意図的に計上していないと訴えた。一部顧客に大幅な値引きを提示したことも問題視。横浜市に新設した拠点では研究開発や生産が行われていないと指摘した。