農林水産省は28日、フィリピンの水田から出る温室効果ガス排出量を削減する「2国間クレジット(JCM)」の事業を開始すると発表した。日本企業が技術協力して水田で発生するメタンを減らし、削減分は排出枠(クレジット)として認証し、企業に売る。取引で得た売却益は企業と農家で分け合う。農業分野でJCMが発行されれば世界初となり、稲作の脱炭素をリードする狙いだ。
世界の温室ガス排出量の11%が農業由来とされ、そのうち11%が稲作を発生源とする。アジアは稲作由来の温室ガスの割合が高く、日本で使われる「水田の中干し」のメタン削減手法などの知見を海外でも活用し貢献する。