【ソウル共同】韓国の首都ソウルなどで近年6~7月、「ラブバグ(愛の虫)」と呼ばれるケバエの一種が大量繁殖している。人には無害で、雄と雌がつながって飛び回るために付いた愛称こそほほえましい。だが大発生の背景には地球温暖化があるとされ、決して歓迎された存在ではない。
韓国メディアによると、もともとの生息域は中国南部などの亜熱帯だが、2022年からソウル郊外で大発生。ソウルは今年6月、観測史上最も早い熱帯夜を記録し、ラブバグの姿も目立った。
植物の受粉を助けることなどから「益虫」とされるが、つながった状態で全長約1・5センチとなる2匹が低空を飛び回り、不快そうに振り払う人も多い。ソウル市民を対象にした調査では86%が「害虫」と回答した。
ラブバグについて、韓国の研究チームが「今後50年で日本を含む北東アジアの相当部分が生息可能地域になる」と指摘したこともある。