【北京共同】河野洋平元衆院議長を団長とする日本国際貿易促進協会の代表団は1日、北京を訪問し、中国の何立峰副首相と会談した。同行筋によると、何氏は江蘇省蘇州で日本人母子が切り付けられた事件について「中日の貿易協力関係への影響があってはならない」と述べた。河野氏は日本人を狙った事件なのかどうかなど動機の解明を求めた。
会談で河野氏は、バスの案内係で男に刺された中国人女性、胡友平さん(54)に「心から感謝し、哀悼の意を表明したい」と述べた。何氏は「(胡さんが)身をていして日本人の親子を守った。勇気と正義が高く評価されている」とたたえ、切り付けた男は「中国の法によって正しく処分される」と語った。
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出をはじめとする課題で日中両国の主張が平行線をたどる中、両氏は関係安定化に向け協議した。
協会は中国との友好促進や経済関係強化を目的に活動する日中友好7団体の一つ。今回の代表団は日本企業の役員らを中心に約90人で、橋本岳衆院議員も名を連ねた。