ニコンは4日、不妊治療で精子を卵子の中に送り込む「顕微授精」に使う新たな顕微鏡を開発したと発表した。ボタンの設定を工夫して作業時間を短くできるようにした。ディスプレーも見やすくした。受精卵の培養を手がける「胚培養士」と呼ばれる医療技術者の負担軽減を目指す。女性の晩産化や不妊治療への保険適用で、生殖補助医療の需要は高まっている。
顕微授精は、胚培養士が顕微鏡をのぞきながら精子を卵子の中に直接注入する。従来のニコンの顕微鏡では、卵子の観察や精子の注入などの過程で計25回の動作が必要だったが、複数の設定を一つのボタンに集約することで6回に抑えた。