【ウルムチ共同】中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ市で少数民族ウイグル族による大規模暴動が起きてから5日で15年がたった。習近平指導部は徹底した監視と取り締まりで治安を確保。脱イスラム教や中国語教育の強制でウイグル族の漢族社会への同化を加速させている。多くの住民は迫害を恐れ、不満を表すのも困難な状況だ。
指導部は経済振興が進んだと主張して統制を正当化。ただ欧米では人権抑圧を問題視する声が強い。ウイグル族に強制労働させているなどとの批判が絶えない。
2009年の暴動で激しい衝突があったウルムチ市の国際大バザールは、5日も武装警察などが厳重に警戒した。当局はモスク(イスラム教礼拝所)が共産党に不満を持つウイグル族の拠点になることを警戒。商店主は、10年代後半から「当局の圧力で大切な金曜日の集団礼拝に行けなくなった」と語った。
オーストラリアのシンクタンクは20年、ウイグル族など少数民族を収容する施設が自治区に380カ所以上あると報告。米国務省は21年、100万人以上が拘束されたと指摘した。