【ジュネーブ共同】スイスのローザンヌ高等音楽院に在籍する日本人クラリネット奏者が発起人となり、日本の児童養護施設などに入る子どもたちが音楽に接する機会を増やそうと、東京都と京都市で7~8月にコンサートを開催する。演奏に触れ「新しい世界への関心や感情の成長につながればうれしい」としている。
同院の教授でピアニストのジョルジュ・ビラドムスさんが2012年以降、故郷のメキシコやケニアで恵まれない子どもたちに音楽を学ぶ機会を提供する活動を続けてきた。同院に通う児嶋賀奈子さん=京都市出身=が活動に共感し、日本ツアーを初めて企画した。
保護者がいない児童らが暮らす児童養護施設などの子どもたちに座席の3割を割り当て、無料で招待する。「他の国と日本で環境は異なるが、機会が与えられることが重要だ」とビラドムスさん。「さまざまな環境の子どもや、幅広い世代が同じ空間で音楽を共有するのはとても美しい」と話した。
コンサートにはドイツのバリトン歌手ベンヤミン・アップルさんや日本人バイオリニストの石上真由子さんも出演する。