日銀は8日、7月の地域経済報告(さくらリポート)を公表し、北陸と近畿の2地域の景気判断を引き上げた。北陸は能登半島地震からの復興需要が増え、近畿は認証不正問題に伴うダイハツ工業の出荷停止の影響が和らぎ、自動車生産が回復した。東北や東海など5地域の景気判断は維持し、北海道と四国は引き下げた。
各地の景気判断は、この日の日銀支店長会議で報告された。北陸は生産の正常化などが進んでおり「回復に向けた動きがみられている」とした。北陸を除く8地域の景気判断は、個人消費など一部に弱めの動きも見られるが「緩やかに回復している」または「緩やかに持ち直している」などとした。
項目別では、北陸と近畿が個人消費の判断を引き上げた。北陸は政府による被災地の観光支援策で旅行客が増え、近畿は百貨店や飲食店で訪日客が増えたことが、それぞれ追い風となった。
長引く物価高の影響で北海道、中国、四国は個人消費の判断を引き下げた。ただ日銀は個人消費が腰折れしているとは見ておらず「全体として底堅く推移している」と説明している。