桜並木から飛んできた花びらが庭先にふわりと落ち、花見客でにぎわう公園の方向から焼けた肉の香ばしい香りがしてくる。富岡町夜の森地区で暮らしていた宮本和之(73)は、春の日の様子を鮮明に覚えている。「望郷の念はますます強くなっている」。東京電力福島第1原発事故から10年以上たった現在の心境を、そう語った。 原発事故により生まれ育った富岡から避難し、桜の名所として知られる自宅付近は帰還困難区域に指定...
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