「平穏だったよな」。元葛尾村職員の半沢富二雄(67)は、古里の野行地区に伝わる村無形民俗文化財「野行の宝財踊り」を記録したDVDを見ながら表情を緩めた。村の北東に位置する野行地区は、東京電力福島第1原発事故に伴い帰還困難区域に指定され、現在も帰ることができない。 「宝財踊り」は大正時代、地区に隣接する浪江町から伝わった踊りだ。「棒振り」や「博徒」などの役に分かれ、色鮮やかな衣装で舞い踊る。一度...
この記事は会員専用記事です
残り1,085文字(全文1,285文字)
続きを読むには「みんゆうプラス」の会員登録もしくは
「福島民友新聞購読」の申し込みが必要です。