いわき市立美術館で22日に開幕した企画展「フィンランドのライフスタイル 暮らしを豊かにするデザイン」。北欧のデザイン大国として知られるフィンランドの優れた実用性と美しさを兼ね備えた作品の数々が並び、来場者が世界中で愛され生活を豊かにしてきた逸品に親しんだ。
会場にはフィンランドを代表するガラスデザイナーオイバ・トイッカ(1931~2019年)のガラス作品シリーズ「キューブ」や、同国のアパレル企業「マリメッコ」でデザイナーとして活躍したテキスタイルデザイナー石本藤雄さんの陶芸作品「陶の花」などバラエティー豊かな作家の作品が並ぶ。
来場した冨岡凜帆(りほ)さん(9)=いわき秀英小4年=は「ガラスのキューブがとてもきれいだった」と笑顔を見せた。また、いわき市の主婦松田きい子さん(65)は「色合いもデザインもほかにないものばかりだった」と満足した様子だった。
制作への影響、刺激語る
関連イベントとして、石本さんと雑貨のインターネット通販サイトを運営する「スコープ」代表の平井千里馬(ちりま)さんが「フィンランドの記憶」と題して対談した。
2人は展示会に関わる作品の写真を画面に映して解説し、フィンランドでの思い出などを語った。石本さんは「1980年代は日本が陶芸ブームで、自分も陶芸をやりたくなった。フィンランドの自由な環境が自分の作品につながった」と振り返り、平井さんは「フィンランドの物を大事にして使い続ける発想に刺激を受けた。国の考え方が性に合っていた」と話した。
出展作品などを通してフィンランドでの思い出を語る平井さん(左)と石本さん