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【7月22日付編集日記】いわきオハナ会

07/22 08:00

 いわき市で暮らすと「一山一家」という言葉を聞いたり、見たりする機会が多い。危険と隣り合わせの炭鉱で働く全ての人は家族で、共に助け合って生きるという考え方。炭鉱が閉山した今も市民の心に息づいていると感じる

 ▼広く「家族」の意で知られるハワイ語「オハナ」も見聞きする。ただ古代ハワイでは一族が同じ敷地内で暮らす習慣があり、生活共同体とか運命共同体という方が本来の意味らしい。そんな言葉に出合えるのもハワイの文化が身近にある「フラシティ」ならではである

 ▼市内にオハナを冠した団体が発足した。プルメリアなどの熱帯植物を育てて公共施設やイベント会場に飾り、まちを盛り上げる活動を展開していく。お花とかけて「いわきオハナ会」と命名された

 ▼色鮮やかな南国の花は、いわきの魅力をさらに高めて多くの人を呼び寄せるはず。栽培を通じて市民の仲間づくりを後押しする効果もあるだろう

 ▼核家族化が進むハワイの人々はオハナに血縁がなくても互いに助け合って信頼し、家族のような絆を持とうという意味を持たせるようになった。花いっぱいの明るい街をつくり上げることで、「一山一家」の心を広く人々に刻み、後世に引き継ぎたい。


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