額に汗して人力で作られた塩は辛苦の結晶と言える。「塩田に百日筋目つけ通し」。俳人沢木欣一は、石川県能登地方に伝わる揚げ浜式製塩の句を詠んだ。くみ上げた海水を塩田に振りまき、熊手のような道具で砂に筋を付けては、乾かす作業を何日も繰り返す ▼「水塩の点滴天地力合(あわ)せ」。大量の砂を木枠に集めて海水を流し込み、塩分の濃い水を取る。夏の日差しの力も借りて得た水塩を長時間、釜で煮詰めることで白く輝く...
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