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【8月1日付編集日記】清らかな川

08/01 08:10

 清らかな流れに身を任せて泳ぐ、小さな魚の姿を肉眼で確認できる。最近は伏流水を使い、酒造りも行われている。20年以上前、河川敷のあちこちに家電や古タイヤが不法投棄されていたとは到底思えない

 ▼国土交通省の調査で、福島市を流れる荒川が14年連続で「水質日本一」に選ばれた。東北地方では唯一の選出。きれいな水は流域の住民による清掃、自然保護などの地道な活動のたまものだ

 ▼茶色に濁った水の中を泳いだ選手たちはどんな気持ちだったのだろう。パリ五輪できのう、男女のトライアスロン競技が行われた。スイム会場となったセーヌ川の水質が悪化し、前日の公式練習も中止されたが、水質検査で何とか基準を満たしたという

 ▼雨が降ると生活排水が流れ込み、汚れや臭いがひどくなるようだ。貴重な交通路として都市の繁栄を支え、1900年のパリ五輪では競泳も行われた。しかし、汚染がひどくなり、長らく遊泳が禁止されてきた。大会前、巨費を投じて浄水場の整備などが行われたが、付け焼き刃では改善されなかった

 ▼きょうは「水の日」。私たちの命を守り、生活を潤してくれる水に、関心を寄せる一日だ。身近な水辺をどう守るか、じっくり考えたい。

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