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西郷盛り土、福島県が代執行へ 今月中開始 埼玉の2人刑事告発へ

08/07 07:25

盛り土規制法に基づく行政代執行が決まった盛り土。近くには民家が立つ=西郷村

 福島県西郷村の私有地に造成された盛り土を巡り、県は6日、造成した埼玉県の男性2人に代わり、県が行政代執行で土砂の量を減らすなどの安全対策を講じると発表した。盛り土規制法に基づく代執行は県内で初めて。県は今後、2人に工事費を請求するほか、盛り土規制法違反の疑いで2人を刑事告発する方針だ。

 県は2人に対し、6月27日付で改善命令を出した。7月25日までに工事計画書の提出を求めたが、期限を過ぎても計画書が提出されなかったため、代執行に踏み切る。工事は8月中に始まり、遅くても来年3月までに完了する見通し。

 県によると、代執行では4万1千立方メートルある土砂のうち、1万7千立方メートルを撤去する予定。盛り土の高さを最高22メートルから15メートルまで低くし、勾配を最高48度から30度まで緩やかにする。斜面の緑化にも取り組み、土砂崩れの危険性を減らす。

 2~5月に行った現地調査を踏まえ、盛り土の高さや勾配、近くに民家があることなどから、県は災害発生の危険性があると判断した。5日付で工事費2億5500万円の一般会計補正予算を専決処分した。8月21日ごろに施工業者を決定し、契約を結ぶ。

 「ほっとしている」

 盛り土近くに住む男性(67)は「ほっとしている。前進だと思うが、いまの時期、突然の豪雨や台風の影響が心配だ」とし、「早く崩壊を防ぐ措置を講じて、生活の安全を確保してほしい。今後の動きをしっかりと見守っていきたい」と話した。 


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