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いわき、一時全域避難指示 台風7号、線状降水帯発生の可能性も

08/17 07:30

台風7号の影響で、高波が打ち寄せるいわき市の道路=16日午後
台風7号の接近に伴い避難所に身を寄せる市民=16日午後5時40分、いわき市総合体育館

 台風7号は16日、発達しながら伊豆諸島の東を北上し、非常に強い勢力で暴風域を伴って関東に接近した。台風7号の接近で大雨などの災害危険性が高まっているとして、いわき市は同日、市内全域の約14万世帯32万人を対象に避難指示を出した。県内では沿岸部の自治体を中心に、高齢者等避難の情報を出したり、自主避難所を開設したりする動きが相次いだ。いわき市全域の避難指示は17日午前7時に解除された。

 県によると、同日午後10時半現在、県内18市町村に計90カ所の避難所が開設され、184世帯292人が避難している。

 避難者が最多のいわき市は同日午前10時半に警戒レベル3の「高齢者等避難」、同日午後3時には警戒レベル4の「避難指示」を市内全域に発令した。指定避難所24カ所と自動車避難場所10カ所を開設し、夜間の移動は危険だとして日中の避難を呼びかけた。同日午後7時時点で124世帯207人が指定避難所へ避難したほか、3人が避難所駐車場の車中に避難した。

 同市に避難指示が出た影響で、JR磐越東線はいわき―小野新町間の上下線で同日午後4時ごろから運転を見合わせた。小野新町―郡山間上り線の一部や常磐線、水郡線も運休した。

 東北、山形、上越の各新幹線は同日昼から計画通り上下線20本が運休し、計約9900人に影響した。17日は始発から通常運行する予定だ。

 気象庁によると、本県、宮城県などで線状降水帯が発生して大雨による災害の危険度が急激に高まる恐れがある。気象庁は暴風や高波、土砂災害、河川氾濫に厳重に警戒するよう求めた。

 台風は徐々に進路を東寄りに変えながら、17日は東北の東の海上に進む見通し。同日の予想最大風速(最大瞬間風速)は関東、東北30メートル(45メートル)。波の高さは関東、東北で8メートルで、うねりを伴う。

 関東甲信や東北では17日にかけて雷を伴った猛烈な雨が降る所がある見通し。16日午後6時からの24時間予想降水量は多い所で200ミリ。線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増える恐れがある。

 非常に強い台風7号は、16日午後9時現在、千葉県銚子市の南東約130キロを時速15キロで北北東に進んだ。中心気圧は950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は60メートル。

 県は16日、県内市町村をオンラインで結んだ庁内の防災連絡員会議を開き、線状降水帯が発生した場合は即座に災害対策本部を設置する方針を示した。

 県は災害の発生状況に応じて、災害救助法の適用を随時検討する方針だ。佐久間止揚災害対策課長は会議で「ハザードマップや避難経路、連絡手段などを事前に確認してほしい」と県民に注意を呼びかけた。

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